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英国では、2046年までに、4人に1人が65歳以上になると予測されています。日本はすでにこの水準を超えており、英国のみならず世界のすべての国が、高齢化という先例のない課題に直面しています。

 

このような状況を受け、英国では「予測・予防」医療を活用し、2035年までに平均余命を5年延ばすことを目指しています。これは予防可能な疾病を罹患する可能性が高い人を個人レベル、あるいは地域レベルで特定し対応するという手法です。

 

老後を健康に過ごすためには、イノベーションやテクノロジーの進歩を最大限に利用することが重要なカギになります。英国はこの分野で世界の最先端を走っており、新しい治療法の確立につながるテクノロジーの開発や個人の体調管理の改善、病気にならないライフスタイルの選択にイノベーションを役立てています。

 

英国は医療機器への人工知能(AI)の応用、ゲノムデータ分析といった革新的な方法でのビッグデータやアナリティクスの活用など、先端的な技術を世界に先駆けて導入しています。こうした取り組みはかつてない範囲とスピードで広がり、また相互協力も進み、新たな世界を切り開いています。

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英国のヘルスケア産業が強い4つの理由

1. 研究開発と人材

高齢化が進む社会のニーズに対応できる世界的レベルの研究基盤と人材が揃っています。世界の大学上位10校のうち、4大学が英国に所在しています。また国民に公的医療サービスを提供するNHSトラストのうち99%が研究活動に関わっています。

 

2. 政府戦略

産業戦略の一環として3億3000万ポンド(約440 億円)の”Ageing Society Grand Challenge Funding”(高齢化社会重要課題対策のための基金)を創設するほか、デジタルヘルス技術推進のための3500万ポンド(約50億円)の基金を準備し、産業界や学術界に資金を提供しています。

 

3. 専門研究機関

高齢化問題を専門的に研究するリサーチセンター、コンソーシアム、カウンシルなどが英国内に30カ所以上あります。ニューカッスル大学に所在する世界最大規模の高齢化・活力研究拠点である”National Innovation Centre for Ageing”(英国高齢化対策イノベーションセンター)もそのひとつです。

 

4. 研究開発を推進する国内チャリティー団体の支援と協力

“Age UK”(エイジUK)が年間7300万ポンド(約96億円)を慈善資金として拠出し、”Alzheimer’s Research UK”(アルツハイマーズ・リサーチUK)は英国内15カ所の研究所に所属する認知症の研究者1,000人以上が参加する独自のネットワークを構築しています。英国DNAバンクには4,000を超えるDNAのサンプルが保管されています。また、NHSは認知症と神経変性の研究のため、2017年度に組織全体で、2016年度より5,000人多い3万3208人を採用しました。

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