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英国発“This Girl Can”キャンペーンが推進する、女性のスポーツ参加

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“This Girl Can”が誕生した背景

 

This Girl Canは、英国のスポーツ政策を担うスポーツイングランドが2015年に始めたキャンペーンです。発足の背景にあったのは、スポーツにおけるジェンダーギャップ(男女格差)。男性に比べ、スポーツや運動を積極的に楽しむ女性が少ないというのです。スポーツイングランドが理由のひとつにあげたのは、「周りの目を気にする」女性たちの存在でした。

 

そうした事情を踏まえ、キャンペーンの公式サイトでは、自分に合った運動メニューの探し方や運動を楽しむ女性のエピソードなどを紹介して、女性たちが意欲的に運動を始められるようサポートしています。

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女性の意識を変えた画期的なアプローチ

 

ジェンダーギャップが生じているのは日本も同様です。平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では、運動不足を感じる女性の割合が男性を上回る一方、定期的にスポーツや運動をする女性は男性より少ないことが明らかになっています。また、スポーツや運動が嫌いな理由として、「人に見られたくない」という回答を選ぶ女性もいました。

 

This Girl Canキャンペーンの原動力となったのは、現状に反して女性たちが抱えていた思いです。スポーツイングランドは、75%の女性がもっとスポーツや運動をしたいと思っているとの調査結果を報告しています。しかし、運動時の外見や運動能力に加え、家族や仕事より運動を優先していると周りに思われることなどを気にして躊躇しているのです。さらに、SNS上で引き締まった女性が運動する姿を見て、63%の女性がネガティブな気持ちになっていることもわかっています。

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キャンペーンでは、そんな女性の気持ちに寄り添ったアプローチを意識して取り入れています。たとえば、「自分の壁を乗り越えて運動する女性の映像を作成し、オンラインで配信する」「Twitterで運動への不安を語る女性に話しかけ、思いを共有する」ことも実施しています。

 

また、「視聴率が高い時間帯にテレビでPRを行う」「“This Girl Can”のロゴ入りポスターを作れるサイトを公開する」など、認知度を上げる働きかけも続けました。その結果、キャンペーンを通して350万人以上の女性が運動に積極的になったといいます。

 

スポーツイングランドのリサ・オキーフは、正しいイメージが広まってきたとキャンペーンの効果を評価しながらも、「まだまだ長い道のり」だと語ります。そうしたなか、すべての女性の体形や能力、バックグラウンドを尊重する思いから、5周年にあたる2020年に新たなプロモーション動画を公開しました。そこには、生理の症状に向き合うためにヨガをしたり、育児をしながらスポーツに励んだりする、今までにない女性たちのリアルな姿が映し出されています。

 

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東京2020オリンピック競技大会に向け、期待される今後

 

ジェンダーギャップの変化は、東京2020オリンピック競技大会にも広がりを見せています。国際オリンピック委員会(IOC)はジェンダーの中立性を課題にあげていますが、英国のチームで今回はじめて女性選手の数が男性選手を上回る可能性が出てきました。

 

英国には女性メダリストが多く、彼女たちの活躍が若い世代を大いに刺激しています。また、英国オリンピック委員会は今年5月、2022年北京オリンピックに向け、2004年アテネオリンピック銅メダリストのジョージー・ハーランドさんを英国チーム統括責任者に選任しました。この役職に女性が選任されることは英国オリンピック委員会124年の歴史上はじめてです。スポーツにおけるジェンダーギャップに取り組む国のひとつとして、英国は今後もこうした働きかけを続けていきたいと考えています。

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動画

ジョージー・ハーランドさんとのインタビューをご覧ください。2004年アテネオリンピックで銅メダルを獲得した経験や女性のスポーツへの参加について話しています。